人生100年時代といわれる今 女性と住まい ライフプランについて考える
■2017年12月に厚労省から「人生100年時代」に向けてと題する報告がされてから、今やあちこちで「人生100年時代~」に関するセミナーやライフプランの提案が盛んにおこなわれています。まずは日本の現状を統計からみてみましょう。
(1)世帯形態の多様化 (推計値2020年)
- 単独世帯は29.7%、標準世帯とされる夫婦と子供世帯は約27%で単独世帯が増加。
- 夫婦のみ、ひとり親と子ども等多様化しています。単独世帯は現役世代だけでなく高齢者の単独も含みます。
厚生労働省高齢白書より
(2)夫婦と子供世帯の割合は (2020年)
- 共働き世帯は約72%、標準世帯は約28%、標準世帯は全体の世帯数の7.5%?
- ※標準世帯とは夫が外で働き妻は専業主婦で子1人か2人で、家計の税や社会保障の給付・負担などを計算する基になります。昭和44年から基本的に改正されていません。総務省統計局用語の説明5世帯と世帯世帯員より
- 男女共同参画局共働き等世帯数の推移より
(3)家事労働に費やす時間 住まい方・間取り等の工夫 (2016年)
- 共働きには欠かせない家事分担の現状は、諸外国に比べて夫の家事育児の時間がかなり低い
- 世帯が住む住宅は家事が楽にできる家事動線の工夫や、キッチンを中心にした回遊できる間取り、夫婦同時に家事労働できるスペース重視や多彩な電化製品、便利で時短可能な食品の活用、テレワークの定着等で、日々の生活が多様化されたスタイルになっています。
- 男女共同共同参画局夫婦の各国の家事労働時間より
(4)人口はすでにピーク(2005年)を過ぎています(2021年)
- 65歳以上の高齢者は2025年に30%になります。内閣府 高齢社会白書より
(5)世界一の長寿国
- 2021年の日本人の平均寿命は男性81.47歳女性87.57歳 世界ランキング総合84.3歳で1位
- 2020年に比べマイナスあり、コロナの影響 厚生労働省令和3年簡易生命表
(6)健康寿命と平均寿命
- 平均寿命と健康寿命の差は何らかの介護が必要な期間となります。(2019年)
- 男性8.73年女性12.07年となります。女性は不健康ながら3.34年長生き?厚生労働省 健康寿命と平均寿命より
(7)65歳以上の一人暮らしは高齢女性が多い
- 一人暮らしの期間は 結構長いです。
- 子や親族に迷惑をかけず、誰かに気兼ねせず、自由に外出したい・好きな物を食べたい・・もう食事の支度はしたくない→簡単に済ます→栄養失調になりがちな高齢女性。 内閣府 高齢化の現状 家族と世帯より
(8)人も住まいも高齢化
- 人が老いると同じように、住宅も老朽化が進みます。国税庁の耐用年数は?
- 若い頃に建てた利購入した戸建てもマンションも、長期間にわたり雨風にさらされ、外壁や屋根が傷み、室内の汚れや擦り切れ、人も2階3階、階段で上階に行くのが大変になり掃除もしなくなり手を抜きがちです。(個人差あり)
- 人が高齢になり、病院通いが頻繁になるように(個人差あり)住宅も手すりを付けたり水回りや室内のリフォームを繰り返しますが築年数が進みあちこちの傷みが目立つようになります。親族と同居したり、施設に入り放置すると老朽化がさらに進みます。やがて空き家に。
- 国税庁は住宅資産の使用可能期間を法廷耐用年数として以下に定めています。
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耐用年数(国税庁)→■木造一戸建て:22年 ■軽量鉄骨・プレハブ系:3mm以下19年 3mm~4mmまで27年 ■重量鉄骨造:4mm以上34年 ■鉄筋コンクリート:47年 ※mmは鉄骨の厚さ
もちろん適宜なリフォーム・補修工事等の手入れ次第である程度延長することは可能です。
- 1947年男女平等が憲法で保障されて76年を超えました。現在は、様々な分野で多くの女性達が活躍・主張し、家族、世帯、子育てや生き方に様々な変化をもたらしています。
- この多様な価値観を抱えた世帯をはじめ、働き方、住まい方、高齢になった時、相続の時など、様々なライフステージがあり、それらは統計にごく一部ですが見える化されています。今後、ご自身のライフプランの参考に役立つかもしれません。
- 高齢の方はエンディングノートに思いや希望を書いておくことも大切です。やがて相続につながる人生を、知識と心構えでより豊かに歩み続けるために、自分らしく生き続けるためにお役に立てば幸いです。 続く
- 参照:厚生労働白書 総務省統計局用語の説明 厚生労働省人生100年時代構想会議