【埋蔵文化財包蔵地】内の売地

 土地の売買契約で欠かせない調査の一つが「埋蔵文化財包蔵地」内か否かを確認することです。内であれば60日以内に届出をして「試掘」をし、何らかの文化財が出てくれば教育委員会で協議し、本発掘になれば、長期間の発掘作業になります。大体売買契約はストップします。状況によりますが売主も買主も時間がかかり「困ったな」となります。契約をする場合も「停止条件」を付けます。「本物件は〇〇遺跡地内に存するため、試掘が必要です。万一本発掘調査が必要とされた場合は本契約は白紙となり受領済みの金員は返還されます。」等々・・仕方ありません。文化財保護法で決められています。

もっとも事前に売主側で試掘をしてもらったり、土器の破片などの小さな遺跡が出てきても、そのまま埋め戻して保存すれば良しとなる場合も多々あります。過去のブログ 2016年4月25日 2018年6月18

最近相談を受けたばかりのお客様。さいたま市緑区の該当箇所をみると、たくさんの赤い区域内にありました。周辺には発掘調査済みで囲ってある場所がたくさんありました。説明文には「旧石器、縄文(早)、平安、中世」とあり、縄文土器と書かれています。

隣地には20年前に分譲した箇所があり、詳細を市の文化財保護課に尋ねると「試掘時には何も出ませんでしたが、該当箇所が地続きの隣でも何もでないとは限らないので申請して下さいね。」とのこと。この土地の売買の完了までにはいつもより時間がかかりマイナス要因になるかもしれません。

数日後【古代DNA】特別展を上野国立科学博物館で見学しました。出土した縄文人の人骨から日本人のきた道を探ります。DNA分析で親族関係もわかるようになっており、虫歯があったり、シミや肌の色、髪が縮れていたりなど。犬や猫の複製もあります。

復元された人物が「私は~」と語りかけてきます。

今、相続で土地を売却しようとするこの地主さんの7000年前の先祖の方々が、この辺で生活をし、子育てしたり食事をしたり笑ったり怒ったり喧嘩したり、狩りをしたり歩いたりしていた姿を想像すると、ワクワクしてしまいます(途中で何度も所有者は変わっているはずですが同じ人類です。)周辺は野菜や植木を栽培して出荷していますが、当時から食も手に入りやすく住みよかったのでしょう。そんなことを思いながら土地を見ると、次はどんな人々が生活を築いていくのか楽しみでもあります。下記画像はパンフレットより撮影 

古代DNAは6月15日まで開催中  さいたま市埋蔵文化財について

さいたま市の地図情報より


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