岩波ホールで「ベアテの贈り物」を観た。
1946年日本国憲法制定のとき、GHQにいて憲法草案の起草委員のただ一人の女性、ベアテ・シロタ・ゴードさんをめぐるドキュメンタリー?映画である。現在81歳、年に数回は来日している。

1990年になってようやく、戦後の日本女性の人権や地位向上の強い後ろ盾となっている憲法第14条や、24条の条文作成に、彼女が深く関係していることを明かした。
それも、GHQでの多くの削除、天皇制と並んで男女平等への日本側の執拗な抵抗にあいながら、彼女が日本語堪能、日本通であることで通過したという。

その後の目覚しい女性たちの活躍の映像は、戦前の大きな流れの中で押しつぶされていった平塚らいてうさんや市川房枝さん達の運動を引継ぎ、一気に花開かせ、根付かせ、発展させている様子をみせてくれる。

「ベアテの贈り物」は赤松良子さんが製作委員会代表、岩波ホール総支配人の高野悦子さん
ジャーナリストの下村満子さん、映画評論家の佐藤忠雄さんらの文章もあり。

映画というより、女性史の講義を聞いているようだったが、
「ベアテの贈り物」がなんだったかを観終わって改めてじんわりと反芻している。
そして、今の自身のいる場所を。
ちなみに、この映画の誘いは、子供からの「母の日の贈り物」

今年の連休は、例年になく憲法を知る時を得た。たまにはこれも必要なことである。

それにしても、相続のセミナーで必ず先生が話す言葉「戦後の均分相続が、相続争いを起こす元になっている。戦前は長男家督相続で、相続争いはなかった」と聞くたび、いつもいやな気分に陥るのは私だけの感情だろうか。


憲法第14条
1.すべて国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2.~
3.~
憲法24条
1.婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、
相互の協力により、維持されなければならない。
2.配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関する
その他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、
制定されなければならない。
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