10月2日号の新聞「週間住宅」で建築家・碓井民朗氏が「マンションデベロッパーも、商品企画のアンケートの活用次第で、売れ行き好調のデベと売れ行き不振のデベにはっきりと二極分化してきた」と語っている。

容積の消化率、延べ面積の中の専有面積、総工事費の概算額と用地取得費で原価計算して建築内容はいつもと同じ間取りや仕様。こういう物件はほとんど売れ残っているとのこと。

建売住宅を専門に案内している私も、同感である。
先日ご契約の運びとなった物件は、建築主の心意気がよく伝わる、実に楽しい家だった。

決して高価なものを使ってはいないのだが、システムキッチン、浴室、洗面化粧台、建具とクロスの色合い、ドアストッパー、照明器具、外構、植栽、玄関周り、ポスト等々、
この建築主は、こんな工夫をしているんだ、今を取り入れていると、発見するのが嬉しかった。

その時見学した他の建売物件では、「これ、昔実家にあったのと同じだわ。まだ使っているの?」

基本構造や間取りは、もちろん安全・快適でなければならないが、それだけでは「ただの箱」。安くて万人むけといっても、入った途端、ガランドウの感じを受ける建売も結構多い。
しかも、完成すればどんどん値引きして、とにかく売ってしまわなければいけない。

それもいいのだが、案内する側としては寂しさが伴うのだ。
箱物は作ったから、中身はお客様が自由に描けますように、ということはよくわかるのだが…

ほんの僅かな費用で、建物全体のイメージが変わるものもある。
お客様は、限られた予算で、精一杯の「豊かに生活する家」を探している。

もっと、お客様の声を反映していかないと、分譲マンションのように、商品の二極化が進むように思えて仕方がない。それは会社の大小には無関係である。
地元の小さな工務店で、研究しているいい商品がたくさんある。

更に加えれば、お客様の声を一番聞いているのは、我々不動産会社の仲介の営業である。物件数を見ているのも、お客様の好み、希望をよく聞き、下見をし、調査をし、提案していくのも仲介の営業マン。

情報の宝庫は案外身近にあるものだ。

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