映画「ローレライ」が上映されている。
1945年8月の数日間、戦後の世界体制を視野に入れながら、広島、長崎に
原爆投下を急いだアメリカの、第3の原子爆弾を首都東京に落とすのを阻止する為に
ドイツからの特殊兵器「ローレライ・システム」を備えた戦利潜水艦「伊507」で、秘密裏に行動する寄せ集めの潜水艦乗り「ドン亀乗り」達。祖国を守る、最後の決戦がテニアン沖で始まった。

特撮、CG、合成、アニメと、何よりも俳優たちの生身の演技がすごい。役所広司・妻夫木聡・柳葉敏郎・堤信一・・・・CGだらけのどこかの映画とは訳が違う。
それもそのはず、監督は「ガメラ・・」の怪獣映画の特技監督樋口真嗣氏、あの「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明氏も加わっている。

映画と小説が同時進行でつくられたという原作、終戦のローレライこれがまた圧巻。福井晴敏氏の筆使いは
共に、戦争の非道さを基礎に、死と隣り合わせの極限状態の中での、乗組員たちの生き様を見事に表している。単なるSF戦争エンターメントの作品ではない、今に通ずるなにかを重厚にかもし出しているのが、私の読後感であった。

役所広司の艦長が最後に命ずる言葉「大人が起こした戦争におまえ達若者を頼りにして悪かった・・私は信じる・日本人は・・自分で焼け跡から立ち上がる」
本人がかたった言葉「エンターテイメントではあるけれど先に逝った人達に、語りかけられているような気がした映画ですね」(パンフより)

案外、敗戦末期、歴史に語られないこんなことが本当にあったかもしれないね。

今年は、戦後60年だ。

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